鏡
ずっとマゾだと思っていた。
自分のこと。
だけど彼は言うの。
『お前はマゾなんかじゃないんだよ』
だって、縛られて私はこんなにうっとりとしている。両手を縛られて天井の梁に固定されて。こんな姿、マゾ以外のなんだって言うの?
『でも、足はついてるだろう? 足をつかないように痛く縛ればお前は冷めてもういやだと言い出すじゃないか』
それでも、お浣腸はすごく濡れちゃうの。お尻にエネマシリンジが入っただけで、ほら、垂れてきちゃうくらい……。
『お前は便秘気味だからね。中のものを出せてすっきりしただけだよ』
それに、あなたが私のおまんこに口をつけておしっこを飲むと、もう、たまらないくらいの快感なの。
『自分では飲めないだろう? お前はマゾを装ったただの変態だよ』
違うもの。
私、マゾよ?
『痛いと即座に乾いてくるくせに? 罵られれば泣き叫ぶより冷めてしまうくせに? お前は縛られてまんこを舐めまわされるのが好きなただの変態なんだよ』
変態……。
私、変態だったの……?
『虐げられる喜びも、甚振られる喜びも知らない。心の奥底で屈しないくせに表面だけ取り繕うなんて最低な偽マゾだよ。この、変態め。自分という女がわかったか?』
変態……。
とっても素敵なことじゃない?