ウスバカゲロウact4
メリークリスマス・・って言っていい・・?
・ぁ・・・なに・・?
日本と言う国は12月25日から年末まっしぐらになる。
そんな年末の一日。
妙な客だった。
『恋人のようにすごして欲しい。』
そう言って彼は泡踊りもマットプレイもなしにシャワーを二人で浴び、まるでじゃれるように洗いっこした後あたしをベッドへと運んだ。
その男の囁き。
・・ん・・いいわよ・・?
・・・ありがとう
微笑んだ彼の瞳は寂しそうで、思わず凍りつかせたはずの何かが溶け出しそうになる。
その手がやわやわと胸をこね、腹を滑り落ちていくとあたしの唇からは吐息にも似た喘ぎが漏れる。
もしかして、寂しいのかしら?
こんな場所、寂しい男なんて山ほど来る。
穴埋めのパテ。
身代わり。
ダッチワイフ。
あたし達なんてそんなもの。
ぐちゅ・・ちゅう・・
あ・・あん・・・・
わかってはいてもその労わるような愛撫には胸を締め付けられるような快感を覚える。
割り切れない人たち。
商売女にさえどこか愛情を求めてくる男。
ん・・は・・・はぁう・・・・
滑る舌があたしのいやらしい襞を舐め、弱い肉の芽をつついてくる。
ん・・だめ・・だめ・・・・
あたしを絶頂に追いやって押し入ってきたその腰の動きは気遣いながらも強引で。
あふ・・ああ・・あん・・んん・・・
ぐちゃぐちゃといやらしい音がしているのにいつものどこか冷めた感覚はなくなっている。
この人が・・寂しい人だから・・・。
薄いゴムのカバーに精液を吐き出して、その人はあたしの上に覆い被さってきた。
メリークリスマス・・・愛してるよ・・・
誰に言うはずのせりふだったんだろう・・。
なぜかあたしは、とても寂しくなった。