私の奥の……

「縛って欲しいの」

 そう言ったときのあなたの顔、一生忘れないわ?

 まるで汚いものでも見るように。
 驚きと、蔑みに満ちた目。

 ええ、もちろん恨んでなんかいないのよ?

 あれは普通の男の反応。
 そうね。 あなたでなくともあんな反応をしたかもしれない。

 興味半分で遊びたがる坊やたちなら別かしら?
 でも、そんなのじゃ面白くも何ともないの。<
 私を愛してるあなたじゃなきゃいやだったんだもの。

 でも、ふふ……。

 きっとあの時あなたの愛は砕け散ったのね。
 そんなに言い繕わなくてもいいの。
 わかってるもの。

 あなたが自分を常識人だと思いたがってること。

 でも、あなたが知らないことも知っている。

 世の中、理性や、常識や、ましてや愛情なんかではどうにも出来ないこと。
 今では、あなただってよくわかってると思うわ?

 ほら……。

 だって、私の足の下の『あなた』はこんなにも喜んでいる。
 涎までたらしちゃって……かわいい人。
 身動きも出来ずに愛でられる快楽。

 生まれ変わった愛。
 前の愛なんて、捨てて正解でしょう?
 さあ、もっと楽しみましょう?
 今度は私の奥で……。

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